灰かぶり

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昔、貴族の男が、妻と娘とともに幸せに暮らしていましたが、ある日、妻が病気になりました。 妻は枕元に娘を呼び寄せて、こういいました。 「私のお墓に小さな木を植えて、願い事があるときには、その木を揺すりなさい」 そしてまもなく、息をひきとりました。 娘はいわれたとおりに、小さな木を植えました。 その木は娘の涙で大きく育ちました。 季節がめぐり、男は二度目の妻をもらいました。 継母には顔は美しいけれど意地悪な二人の娘がいました。 三人は娘に灰色のぼろ服を着せ、朝から晩までつらい仕事を与えました。 そのうえ姉さんたちは意地悪して、灰のなかにわざと豆をばらまき、娘に拾わせたので、娘はいつも灰にまみれ、いつしか灰かぶりと呼ばれるようになりました。
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