「痛いよ」

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「痛いよ」

苦しみが消える事はないのでしょうか。 浄化されぬまま、降り注ぐ黒い雨。 溢れ出す赤い雨。 止める事の出来ぬ悲しみの刃。 置き場のない気持ちの刃と共に柔らかい皮膚へと食い込む。 真っ赤な悲しみ。 刃は積もり行き、最後には鋭く尖った氷の刃。 引っ込める事の出来ぬ牙 疑う心は警戒心を弱める事なく、増すばかり。 まるで、怯えて爪を出しっぱなしの野良猫の様に警戒心強めて行く。 心ない言葉と行動に打ちのめされ、冷たい視線を浴び続け壊れて行く。 何も報われぬ世界。 コントロールが利かぬロボット。 心から笑う事も泣く事もない枯れた心。 怖い、辛い、苦しい、寂しい、痛い、悲しい。 怒涛の連鎖を繰り返す、終わりない苦しみ。 いつか笑える日が来るだろうか。
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