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―3つの絆―
“ピンポーン”と、家のベルが鳴って、僕は眠くて重い体を起こした。
家を見渡すと、お母さんたちは仕事に行ったみたいだ。
仕方ない、僕が出るか…
「ふぁーい…?」
「「お誕生日おめでとうっ」」
「………えっ?!」
まだ眠っていた脳が、二人によって起こされた。
「翼、聖夜、なんでここに?」
“しかも、こんな朝早くからっ”と付け加えると、翼も聖夜も笑った。
「もう10時すぎてるから朝早くじゃないよ?」
「理来変わんねぇなっ」
お腹抱えて笑う二人を僕はただただ見つめていた。
ふと、二人のポケットに入っている携帯ストラップに目がいった。
翼の誕生日に聖夜と二人で選んだ、3人お揃いのキーホルダー。
それを見ると、緩む顔が隠せなかった。
「よっしゃ!今日は理来の誕生日ツアーするぞ」
「ツアー?」
「うん。今日は遊びながら理来の好きなもの買ったり、出掛けたり、食べたりしよう」
「それが俺たちからのプレゼント」
「だから早く着替えてっ」
二人からのプレゼントは久々の“3人の時間”だった。
どんな物よりも嬉しくて、僕は嬉し涙をこらえた。
「着替えてくるっ!」
今日は久々に3人で楽しんで来ますっ!
―3つの絆―
(イチゴパフェ食べに行こーっ)
((いきなり!?))
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