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―最高なプレゼント―
「ほら、早く歩けー」
「いたっ!叩くなって」
「お前が遅いからだよ」
今俺は一磨と買い物中。なんでも、俺の誕生日を祝ってくれるとか…
でも何をプレゼントにしたらいいかわからないらしく、選べ!なんていう無茶振り。
まぁ、一磨らしいというか、なんというか…
まあ、俺の誕生日なのに歩くのが遅いって理由だけで叩くのは少し頭にくるけど。笑
「で、決まった?」
「んー…やっぱいいよ、プレゼントは気持ちだけで」
「はあ?」
“せっかく俺が好意で選べって言ってんのによ”なんて言葉を吐いて頭を掻く一磨。
でも本当にプレゼントなんて…
気持ちだけで、本当に有り難いし、こうして会いに来てくれただけで嬉しいから。
「んー…」
そんな俺の気持ちとは逆に、納得いかない様子の一磨。腕を組んで、眉間にシワを寄せて、一生懸命考えている。
もう、いいって言ってるのに…笑
「よし、じゃあコレにしようっ!」
「へ?」
一磨は目の前にあった、縁が白と緑の写真立てに指を差していた。
一磨がこういうのを選ぶのは珍しい←
「これなら皆と映した集合写真飾れるしな。我ながらいい物選んだなぁ。よっしゃ、買ってくる!」
「へ?!」
思い立ったらすぐ行動!一磨らしいな。
それに、わざわざ白と緑の写真立てを選ぶんだから…
他にも色々な色あるのにね。
「お待たせ、ほらよ」
「あ、ありがとうっ」
「なんだよ、もっと嬉しそうにしろよ」
「嬉しいよ、ムチャクチャ!」
俺が焦ったようにそう言うと、一磨は笑った。
「知ってるって!なんせ俺からのプレゼントだからな」
ふはは、と笑う一磨の後ろ姿をしばらく見つめて俺は一磨を追いかけた。
本当にありがとう。
来年の誕生日もこうしてプレゼント選びに来ような。
―最高なプレゼント―
(親友と歩む道と時間と…)
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