Birth June

2/2
前へ
/21ページ
次へ
―ひまわり― 今日は大切な日さ、 Happy birthday to you… 桜の木に緑が咲き始める今日この頃。私の親友、樹音は誕生日だ。 お互いに天てれを卒業して樹音は仕事、私はレッスンで、なかなか会えない時間を過ごしていた。 住んでる場所も違うしね。 だけど今日は違う。樹音が生まれた、この大切な日は傍で祝ってあげたいから。この3年間、そうしてたように… 4年目の誕生日も目と目を合わせて『おめでとう』を言いたい。 手にはプレゼントを持って、行き慣れていた樹音ん家までの道を歩いた。 サプライズするために来たから、連絡してないんだけど、いるかな? そんな心配をしながら歩いていると、公園からブランコの音がした。 何気なく目を向けると… 「え、羅夢っ?!」 「あ、樹音っ」 まさかココで会うとは思わなかったから、驚いた。樹音も驚いてるけどね。 「なんでココにいるの?」 「樹音こそ」 「自転車で散歩してたの」 樹音の指差した所には確かに自転車がある。眩しいくらいの黄色の自転車。 「ひまわりの色だね」 「うん、ハチが寄ってこなければいいんだけど」 「樹音ハチ嫌いだもんね」 「羅夢もでしょ?ってか、羅夢はなんでココに?」 あ、忘れてた。 「ハッピーサプラーイズ♪」 私はそう言って、樹音にプレゼントを渡した。 中身は黄色のスケジュール表。ひまわりの模様で、私と色違いで買った。 同じ時をひまわりのように真っ直ぐに歩んでいけるように…― 「ありがと、羅夢。これからもよろしくねっ」 「ふふふ、こちらこそ」 ―ひまわり― (おめでとう、樹音) _
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加