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―ひまわり―
今日は大切な日さ、
Happy birthday to you…
桜の木に緑が咲き始める今日この頃。私の親友、樹音は誕生日だ。
お互いに天てれを卒業して樹音は仕事、私はレッスンで、なかなか会えない時間を過ごしていた。
住んでる場所も違うしね。
だけど今日は違う。樹音が生まれた、この大切な日は傍で祝ってあげたいから。この3年間、そうしてたように…
4年目の誕生日も目と目を合わせて『おめでとう』を言いたい。
手にはプレゼントを持って、行き慣れていた樹音ん家までの道を歩いた。
サプライズするために来たから、連絡してないんだけど、いるかな?
そんな心配をしながら歩いていると、公園からブランコの音がした。
何気なく目を向けると…
「え、羅夢っ?!」
「あ、樹音っ」
まさかココで会うとは思わなかったから、驚いた。樹音も驚いてるけどね。
「なんでココにいるの?」
「樹音こそ」
「自転車で散歩してたの」
樹音の指差した所には確かに自転車がある。眩しいくらいの黄色の自転車。
「ひまわりの色だね」
「うん、ハチが寄ってこなければいいんだけど」
「樹音ハチ嫌いだもんね」
「羅夢もでしょ?ってか、羅夢はなんでココに?」
あ、忘れてた。
「ハッピーサプラーイズ♪」
私はそう言って、樹音にプレゼントを渡した。
中身は黄色のスケジュール表。ひまわりの模様で、私と色違いで買った。
同じ時をひまわりのように真っ直ぐに歩んでいけるように…―
「ありがと、羅夢。これからもよろしくねっ」
「ふふふ、こちらこそ」
―ひまわり―
(おめでとう、樹音)
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