なにげない日常が

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シンの部屋は元々シンの師匠の部屋らしく、壁には師匠とその妻と思われる肖像画も飾られている。シンがいれてくれた紅茶は香りがよく、匂いを楽しんでいると、シンが苦笑いをしながら話しかけてきた。   「ダグラスにはホント苦労するよ。今日で米寿なのに、老いるどころかますます盛んになってあんな調子だ。せっかくプレゼントを用意したのにな。誕生日くらい、笑顔で祝ってやりたいのに怒らせるんだから、ダグラスは。」 ハサレイの配達に来た小包を見てそう言うので、よく見てみると確かに依頼人の欄がシンの名前になっていた。宛名にばっかり気を取られていて気がつかなかった。 「結局サインはもらえなかったし、シン少将から渡してみたらどうですか?」 「でも、普段説教ばかりの口うるさい師匠からプレゼントをもらって、あいつは喜ぶだろうか…。」 「意地悪じゃなくて、思うところがあって口うるさくしてるんでしょう?きっと分かってくれていますよ。きっと僕からよりシン少将からのほうが喜んでくれますよ。」
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