第2話「入園式」

1/4
前へ
/7ページ
次へ

第2話「入園式」

美波は日に日に成長していった。美波が高松の児童養護施設へ預けられて3年の月日が流れた。だが遥からの連絡は一度もなかった。美波はこの春から高松の幼稚園に入る予定だ。幼稚園の手続きは施設の前田さんがやってくれた。美波は入園式で誓いの言葉を園長に向かって言う予定だった。だがこの時はまだ前田さんも本人(美波)も気付いていなかった。美波の耳が生まれつき聞こえなくて言葉が上手く話せない事を。そしてとうとう入園式の日がやってきた。美波はドキドキしていた。きちんと言えるだろうかと心の中で思っていた。そしてついにその時がきた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加