一族

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シャリオンの発言に皆が一様に頷いた。 まるで、図った様なタイミングで、リイは動いた。 それに対し、セフィランサスが皮肉げに唇を歪めて言う。 「…仕組まれた様な誂え向きだな。」 ――役者は揃った。 前に白死神が言った様に、総てが。 セフィランサスが、抑揚の乏しい声で言うと、空気が重くなる。 「リイの…動向は?」 「探っています。――今はサクリファイスが追っていますよ。」 シュナミアが白に視線を送ると、間髪入れずに返事が返ってくる。 いつも付き従い、常に白の隣にいる彼は居らず、白の隣は空席だった。 その代わりにいつもは此処にいない、他の五大勢力の部下達が、席を埋めていた。 通常ならば、部下をシュナミア達は連れては来ない。 他勢力の部下と反りが合わず、啀(イガ)み合い、会議の進行に大きく支障をきたす為だ。 しかし今は緊急の為、此処にいる。 今はそれが解っているのか、部下達は皆、静かだ。 白は紅い瞳を薄ら細め、何かを、考え込む様に、視線を僅かに上に向けた。 そんな白を眺めながらシャリオンは白に問う。 「そもそもさー、何であの兄妹を入れたの?。確かに【蜃気楼】は実力重視。けど勢力の幹部にするくらい強いのなら、その分、その性格も考慮しなければならないよね?。白なら尚更解った筈だよ。」 彼らの異常性がさ。 そうシャリオンは白に畳み掛ける。 責める。と言うよりは、素朴な疑問の様に、問い掛けた。 にこり。と白は微笑み、滑らかに言った。 「えぇ。一目見た時から、“普通”で無い事位、解りました。痛い程、ね。」 勢力の部下達に衝撃が走り、騒めく。 「――黙れ。」 白死神が低く一喝すれば、水を打った様に静かになる。 続けるようアルが目で促した。 「…けれど、だからこそ、そういう者達には、【枷】が必要でしょう?。野放しにすれば、どんな事を引き起こすかも解らない者達には、監視役がいるでしょう?」 紅い目でひたと白死神達の顔を見つめた。
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