一族

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その後、学園長は何事も無かったかの様ににっこりと微笑み、言う。 「今日はもう帰って良いよ。こんな状態での続行は不可能だろうから。僕は知りたい事は知れたし、腑に落ちた。――僕は学園内の処理に回る。七瀬に怒られたくないし。」 学園長はグラウンドを見回して、苦笑する。 学園の校舎やその中には被害は及んでいないが、混乱は外と然程、変わらない。 するりと学園長は自分の周りに集まった子供達の頭を撫でてから、校舎の中に消えていった。 ざわざわと学園長がいなくなっても、やはり周りの騒めきは収まらない。 まぁ。至極当然とも言える。 教師達も事態の収拾に手一杯のようで、双子の方には来なかった。 それは、此方としても好都合だった。 「お前達、怪我は大丈夫なのか?」 白死神がアイーシャ達、主にアイーシャとラルをしげしげと眺め、唐突に問う。 2人とも試合で結構な深手を負っていた筈で、その証拠に、紅い染みが服に広がっていた。 その指摘に、はた。と今更ながら痛みを再び認識したらしい。 『大丈夫です。』 と言いながら顔を歪ませた。 白死神ががしがしと頭を掻き乱し、溜息を吐くと。 「治療してきてもらえ。」 白死神が2人の背を軽く押すと、2人は此方を気にした様に何度も振り返りながら行く。 嘉耶も五大勢力達に頭をさげ、アイーシャ達についていった。 「行くか…。」 誰とも無くそう言って、五大勢力と双子は学園から音もなく立ち去った。 「間が良過ぎるよ。彼。」 シャリオンが面白くも無さそうに、鼻を鳴らしながら言った 白死神達は、【円卓の間】。―――今の、会議に使っている部屋に集まっていた。
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