一族

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会議も終盤き差し掛かり、その内容が【篠月】についての事を話していた時、小さな扉を叩く音が、会議室に響いた。 『!』 一番扉に近かったシャリオンの部下が、訝しげに扉を開ける。 「!」 『………。』 薄紫の瞳と目が合った。 扉が開いたかと思えば、出てきた死神は知らないひと。 おまけに此方の顔を見た瞬間、硬直したように固まってしまい、2人はどうすれば良いか。と戸惑った。 そうしていると、奧の方からアルが2人に向かって来ると、固まっている死神を元の位置に戻し、2人と目線を合わせるようにして膝を折る。 「どうしました?」 『……行って…来る』 何処に。とは言わず、そう言った2人に、アルは一瞬目を細めたが、言わんとする事が理解できたのか、直ぐににっこりと微笑い。 「気を付けて行ってらっしゃい。まだ外は危険ですから。」 『うん。邪魔して…ごめんなさい。』 「良いんですよ。」 そう言うと、トキとツキは瞬く間にその場からいなくなった。 「……よくアレであの子達の言いたい事が解るな……。」 白死神が何だか形容し難い表情でアルにそう言うと、静かに扉を閉めていた彼は、微かに微笑う。 「傍にいれば、解りますよ。」 言うと、微かに浮かべていた笑みを収め、席につくと。 「―――それで、【篠月】に協力を仰げないか。ということですが、それは恐らく不可能だと思われます。――――そうですよね?。白死神。」 「そうだな。【篠月】の死神の殆どは数多の世界に散っている。呼び寄せる事は不可能だろう。――それに、彼らがそれに応じるとも思えん。」 「何故です?」 部下の一人がおずおずとした様子でそう問うと、白が溜息を吐いて答える。 「彼らは、私達に従う理由が有りません。既に自分達の時代では無いと退いた方々ですしね。――彼方は私達とは格が違うのです。」 五大勢力の当主達よりも遥かに永い時を生きる【篠月】の一族。 それ相応の実力が有るのだ。 従うとも思えなかった。
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