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彼女の言葉に特に反応せず、鎌を振り下ろす。
それと同時に、トキとツキの後ろから紅と蒼の虎と龍が襲い掛かる。
「――…っ!。」
少女は後ろへと飛び、【氷龍】と【炎虎】の攻撃を躱す。
「今日は偵察なんだよねぇ…。」
割に合わないよ。とうんざりした表情でぼやきながら、奇妙な色をした鎌を出現させ、先ず氷龍と炎虎を壊しに掛かるが、二匹は身体をしならせ、上手く避ける。
「分が悪いなぁー。」
またひとつ呟くと、彼女の周りの景色が歪む。
『!。』
トキとツキは眉をひそめて、少女に斬り掛かる。
「ごめんねー。まだ君達にやられるワケにはいかないんだぁ。」
と言ったかと思うと、2人の鎌が彼女に届く寸前、彼女の真後ろの景色が裂け、先の見えない黒い穴が開き、少女が吸い込まれる様にして消えた。
氷龍と炎虎を使い追撃するが、少女を吸い込んだ穴は、一瞬の内に、掻き消えてしまった。
『逃がした………。』
力を抜くように鎌をなおし、2人はそう呟くと、篠月邸へと踵を、返した。
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