―プロローグ―

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私にはいつも見る夢がある。 赤ん坊だった自分が…まるで捨て猫のように小さなカゴに入れられ 12月の寒空の下 毛布でくるまれただけで置き去りにされた夢。 目が覚めると涙が流れている自分に気付き こっちが現実だったとホッと息を吐く。 でも…。 その数秒後にはどちらも現実だということを思い出し 孤独に押し潰されそうになる。 私は捨て子だった。 あの時 私の目に映った月の白さを今でも 覚えている…。 そんな気がする。
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