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◇prologue◇
人の記憶とは曖昧である。
故に過ちは繰り返されやすい。
日常の1コマから世界的規模まで様々な形で争いは絶えない。
どこかの国では些細な一言で鉛弾が頭を吹き飛ばしている。
死を生み出すのは容易だ。
そしてアカシックタブレットに死を持ってその個体の記録は終わる。
地球が誕生してから今に至るまで万物全ての事象を記録しているアカシックタブレット〈光の碑文〉
タキオン素粒子と同等かつそれ以上の速さで例外なく記録された事象のデータは、神や悪魔でさえも記録対象とされてきた。
それは別名アカシックレコードとも呼ばれ、禁断の領域ともされてきた。
いつしかそれは研究者達の間で《閲覧してはならない》《記録を再生してはならない》というタブー化されるようになっていた。
しかし人間の記憶や認識はあやふやなもの・・
学者や研究者達の警告などが抑止力になることはなかった。
これは二度目の有史がこの世界に文明を築いて三千年以上過ぎてからの物語。
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