プロローグ

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◇ニューヨーク事件から15年経過◇  東京都風見区にある霧島インダストリィ所有の研究所では、次世代型レコーディストが開発されていた。  万物の事象を絶えず記録しているアカシックタブレット(光の碑文)の記録を読み取るリーディストは、その記録を大気に含まれる個融エーテルを使って具現化している。  個融エーテルは人間や動物から鉱物や土にいたる全てに含まれるもので、リーディストは高い精神力でこれを形にするのである。  つまりリーディストはアカシックタブレットの情報を読み取る為の術式を扱えるだけじゃなく、それを形にできる魔力と精神力が必要なのである。  霧島コーポレーションはレコーディストと呼ばれる器にアヴァターの情報を記録することで、リーディストの魔力と精神力の負担を減らそうとした。  個融エーテルをベースに造られたナノマシンの人型の器であるレコーディストは、魔力の元ともなる個融エーテルを独自で確保できるが、リーディストと契約してリーディストから個融エーテルを万遍に受けることができるアヴァターと比べると極端に低い。  それでも上級アヴァターがレコーディストに宿れば、それなりの力を発揮する。  結局のところ、イブも契約したリーディストのコンディションや信頼関係によって得られる力が左右されるわけで、リーディストも同じなのである。  そんな相互関係を抜きにして平均的な戦闘能力を発揮できるとして開発されたレコーディストなわけだが、レコーディストに情報を書き込むには結局はリーディストなわけであるからにして、リーディストはいつまでも必要な人材とされるわけである。
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