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第一話“覚醒”
セーフィルクロイツ
古よりこの世界を見続けてきた民の街
アカシックタブレットと呼ばれる光の碑文が祀らし聖なる領域
決して外界と交わることなく、クリスタの系譜を受け継ぎし者によって守られてきた碑文と聖域
彼らセーフィルクロイツの民は神や悪魔さえも従者としてこの地を守り続けていた。
“もし、この地へ赴く者あらば滅せよ”
“もし、この地を去る者あらば滅せよ”
“さすらばこの地は守られん”
15世紀頃ハンス=バーンズはかつてこの地を見たことがあると手記に記している
この地を守護する青年を見たと。
それは大変美しい銀色の髪を靡かせ、鮮血色の瞳は憂いを帯びていたと。
次元が不安定になり現れたセーフィルクロイツに、人間の軍勢が攻め込んだ。
人間達は一人のセーフィルクロイツの魔導師なる者から数多の術式の技法を引き出したという。
その魔導師は自らを神の使者と名乗っていた。
セーフィルクロイツの魔導師や聖霊は、神の使者と名乗る魔導師と人間とそれに組する魔神や聖霊達最後まで戦ったとのこと。
そして聖地の守護者の青年は、セーフィルクロイツを元の次元に封印し自らも姿を消し、その戦いは幕を下ろした。
今でも語られるハンス=バーンズのおとぎ話である。
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