D/こどものじかん

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(ッあ…あ…)   (ココ、いーんか?ベジータ…)      防音材の扉からも微かに聞こえる、静かな二人の声。 修業じゃない…これは…?     「何だよ、オレにも聞かせろって」      耳をつけたまま固まってしまっている悟天の隣に立ち、トランクスは同じように耳を近付けた。 数秒後、トランクスは同じように固まった。     「…なぁ、これって」   「わかんない、修業じゃないみたい…」   「ちょっと見てみよーぜ」   「え…開けたらバレちゃうよー?」      悟天は、今向こうの二人に声を掛けてはいけない気がした。ましてやイキナリ部屋に入るのだって悪い事のように感じた。 しかしトランクスはウインクをして悟天に笑いかける。     「大丈夫だって。ここ扉のすぐ前にしきりがあるんだ。こないだ父さんが母さんに言ってたの聞いたもん」   「そうなの…?」   「だからちょっとだけ!新しい修業してんのかもしんないじゃん?」   「…うーん」      確かに悟天も好奇心が消えた訳ではない。見たい気持ちだって何処かにあるのだ。     「じゃ、ちょっとだけね?」   「そうこなくっちゃ!」      悟天が遠慮がちにトランクスを見つめれば、トランクスは嬉しそうに笑い返した。  二人は物音を立てないように、そっと扉を開ける。 しきりからほんの少しだけ顔を出して、中の様子を伺った。   すると。
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