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それから3日。
どうしても帰れない…という…!
「なんでだろ…?」
迷いの森とでも言うべきか…
歩いても歩いても景色が変わらない。
この森へ迷い込んでから木のみやら茸やらしか食べてないので、上手く頭も回らない。
その場にころんと横になる。
あと、余談だが、男なので…溜まってもいる。
でもタンパク質なんだよな…といつも触れる直前でためらってしまう。死んでしまったらどうしようもないしな。
しかし溜めておくのは良くないらしく、日に日に身体の芯が疼いてくる…って言うんだろうか。疼きが強くなってくる。
「あー…違う意味で死にそう…」
というか、もう死ぬ寸前…
食べるものも力もなく、ただ動かないでいると、ふいに誰かに背中をたたかれた。
「あの…」
「っ!?」
人気のない場所でイキナリ人の声を聞くとだいぶ心臓が跳ねる。触れられたのなら尚更だ。
だがそれは実に意外な人物だった。
「やっぱり…七松先輩ですよね?」
「あ、え…?滝夜叉丸…?」
同じ学園で、同じ委員会の四年生…がなんでここに…。
「なんでこんなところに…」
「いや、こっちの台詞だって…。滝夜叉丸こそなんで此処に?」
「え?私は修業、に…」
「修業ぉ…?」
成績優秀な滝夜叉丸が修業…。
いや、自称らしいけど。
自称だからこそ、修業してるのか…?
「影の努力ってヤツだ」
「わっ、笑わないで下さいよ…。内緒ですよ?」
クス、と笑ってやると滝夜叉丸は顔を赤らめて念を押す。
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