オ/瞬間ノイズ

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「…あー」 「何、どした」 「…今すげーオレ欲求不満です」 「…あーそう、ですか」 今はバイト。 スーパーのレジ。 こいつとオレは隣同士。 客も少ない夜の事。  こいつは欲求不満とかほざき始めました。 仕方ないからスルーしました。 「ねーメグミさん、セックスは好きですか」 「メグミじゃなくてケイです、恵。セックスは微妙です」  こいつは何を聞いてくるんだ…。 客いないっつってもバイト中だぞ…? とりあえず無関心を装ってそう返してみたが、こいつは更に話を広げてきた。 「へー。オレ上手なんですよー」 「…松田くん、私語は控えようね」 「今度試してみません?」 「だからぁぁ!」  人の話を聞かない新人め! つか、試すってなんだよ、試すって…。 やだ、この人ゲイな感じ…? 「試してみる価値ありますよー」  にこにこしながらそう繰り返す相手をうたぐり深く見つめる。 「待って待って。え、お前ゲイ?そっち系?」 「いいえ、全然」 「…」  わ、分からない…!! 最近の若者にはついていけない…!! 「ねーメグミさーん」 「恵です」  欲求不満だからって、男を誘うかよ、普通…。 「松田くん、風俗でも行ったら?」 「えーメグミさんおっさん臭い!!」 「…そう。おっさん臭いからセックス向かないよ」 「ちょちょ、また嘘ついてぇ」  微笑む相手の目が、ふと真剣にオレを見つめる。 「じゃなく、オレメグミさんだから抱いてみたい」 「…」  言い終えると、いつもの笑顔でふにゃりと笑われた。 …た、試されてる、のかな…?  …とりあえず。 今日も一緒に帰るのはさすがに危機を感じます。 End. ----------------- オリジでしたー メグミさんを青年っぽく書いてたつもりなんですが、なんかおっさんになっちゃいましたね←
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