D/lovelovelove

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「いやいやいや、待て!まーてー!!」  あんたの身体をきつく抱きしめると、オレの鼓動はもう破裂しそうな位鳴っていた。 あんたはじたばたと暴れて抵抗したが、いつもより力が弱い気がした。 「…本気で抵抗しねぇんだ?」 「っ…は…冗談…」  相手の身体を抱き寄せると、オレと同じくらい、いや、それ以上の心音。 「へ~ぇ…」 「っな、何だよ…」 「知らなかった。あんたもオレの事好きなんだ」  からかうようにそう顔を近付けるが、本当は今すぐ口づけたい。 むしゃぶりついて、オレだけのものにして。 オレしか見えなくなればいい。 あんたはオレから目線を外すと、困ったような顔で呟く。 「好きじゃねぇ」 「嘘つけ」 「若僧が、調子乗んなよ…?」 「…じゃあ何で、目ぇ潤んでんの」  視線を追うようにして、再び顔を見る。 あんたの目の奥には、オレが映ってるか? ちゃんと捕らえているだろうか? 目の中で光が揺れている。 「…ガキに教える必要ねぇな」 「っ」  嗚呼、こんなに好きなのに。 なんであんたはオレを見ない? オレはガキじゃねぇ。 あんたが好きで。 好きで好きで好きで。 こんなに壊れそうなのに。 あんたは何処か別の場所を見てる。 こんなに胸が鳴ってるくせに。 小さく舌打ちをして、噛み付くようなキスをした。
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