D/lovelovelove

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「ッ…!」  初めて知ったあんたの唇は思ったよりも柔らかい。 舌を絡めて吸い上げると、相手の身体がびくんと跳ねる。 「っは…何?反応いーな?」 「…っせぇ…」  潤んだ目には、今オレしか映っていない。 再びきつく抱きしめると、二人の鼓動が重なって、痛いくらいに胸を押し上げる。 「…お前さぁ」  そのうち、あんたが諦めたように呟いた。 「お前、オレの歳考えろよな…。今から恋愛していい歳じゃねぇだろ」 「っんなの」 「お前だって、こんな親父相手してるより若い姉ちゃんの方が、」 「っるせぇな!!」  オレが叫ぶと、あんたは喋るのをやめて真っ直ぐにオレを見つめた。 オレは夢中で喋り続ける。 「あんたの歳もオレの歳も、今は関係ねぇだろ?ヤりてぇからヤるんだよ、好きだから好きなんだ。分かんねぇかよ?」 「…だから」 「たまにはオレを見てくれよ、なぁ。あんたが好きなんだ」 「…」  胸が苦しい。 その痛みに顔を歪めると、ふっとあんたが笑った。 「必死な顔してんな」  オレの頬に手を添え、あんたは優しく微笑んでいる。 「いいぜ。そこまで言うなら相手してやるよ」 嗚呼。 あんたの笑顔が、更にオレを夢中にさせる。 オレはあんたが好きだ。 「オレに溺れても知らねぇぞ…?」 こんなに馬鹿になるくらい。 End.
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