オ/瞬間ドリーム

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「ん…ん?」  …目が覚めると、そこは見慣れない部屋でした…。 「あ、メグミさんおはよー」 「松田…?」  なんで松田が…向こうで上裸で立って… …上裸? そして良く見るとオレも服着てない…っていう…。 「え?あれ!?此処どこ!」 「あれ?メグミさん覚えてないパターン?」 「え…っ」  こ、これはもしかして…。 朝起きたらヤった後でした、とかお約束のパター…ン…? うっわ、待て待て自分! まさか、こんな展開…つうか展開早っ…! 一人でぐるぐると考えていると、松田がカップを持ってこっちに歩いてきた。 「まぁとりあえず、朝のコーヒーをどうぞ」 「…オレブラック無理」 「あぁ…だからメタボ予備軍なんですね」 「おおおおお前っ…!!」  思わず掛けてあったタオルでお腹を隠した。 み、見たからか…見たからそんな事言えんのか!? 「で、メグミさん」  さり気なくタオルを捲り、腹の肉加減を確認していると、上から松田の真剣な声が聞こえてきた。 顔を上げると、目の前に松田の顔。 「…な、なんだよ…」 「昨日のこと、」 「っ…」  き、きたっ…! うわ、どうするべき!? 素直に覚えてませんとか言うべき!?だよな!?  顔を逸らして俯いて、相手の次の言葉を待った。 …手、震える…。  だって、まさか覚えてないうちに好きな奴とこんな事…なんて…っ。 情けないやら恥ずかしいやらで、もうどうしていいかっ…。 ぎゅっと目を瞑り、松田の声を待っていると、小さなため息が聞こえた。 「覚えてないならいいです、よ」  そう言って、ほかほかのカフェオレが入ったカップを差し出してきた。 「…まつ、だ…?」 「それ、メタボーなメグミさんの為に、甘さ控えめですから。頑張って飲んでね」 「だっ、だからメタボじゃ…!」  …なんて、つい反論してしまう…オレはなんて子どもなんだろう。 ていうか、覚えてませんって言ったら昨日の出来事を教えてくれたんだろうか…。 むしろこの状態なら、教えてもらったほうがスッキリする気がするんですけど…。 なんて今更言えない、よなー…。  しっくり来ない…そんな顔をしてカフェオレを啜ると、松田の言った通り、甘くなく苦味のあるカフェオレだった。 つづくよ!
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