D/こどものじかん

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「トランクス君…ホントにするの…?」   「当ったり前だろ!お前だって興味あんだろ?」   「…そーだけどぉ…」      ある日の夕暮れ。 トランクスと悟天の二人は修業を終えた野原で座り込んでいた。 何やら真剣な面持ちをしている。      と言うのも、朝方のこと。     「トランクス君と遊んできまーすっ」      満面の笑みを浮かべ母に手を振る悟天は、これから起こる想像の範囲外の出来事をまだ知らない。  同時に悟天の母、チチもそんな事には全く気付いていなかった。     「気をつけて行ってくるだぞー」      そういって我が子を送り出すのだった。        悟天は元々トランクスの家が好きだった。  もちろん、緑のたっぷりある我が家も大好きだったが、トランクスの家には様々な玩具や訳の分からない機械が沢山あり、悟天のような男の子の好奇心をくすぐるには持ってこいだった。  トランクスは様々な機械を自慢げに紹介してきて、悟天はそれを素直に関心した。 トランクスの話はとっても面白いのだ。     「楽しみだなー」      ふいに笑みがこぼれる。    加えて、悟天は幼心でトランクスが好きだった。 トランクスから迫られ、キスをした事もある。 同い年の女の子が近くにいない事もあり、いつも顔を合わせているトランクスを好きになるのは当たり前の事だと思っていた。 常識、なんて知らないから、男同士の恋愛もあると普通に思っていたのだ。
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