D/こどものじかん

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「おはよ。今日も早いなー」   「だって早く会いたかったもん」      屈託のない笑顔でそう本心を告げると、トランクスはかぁ、と顔を赤くした。     「そっ…そんなにオレの事好きなのかよ、しょうがねぇなー」      トランクスにからかうように言われて悟天もムキになる。     「ちっ、違うよぅ…普通だもんっ」   「へーっ嘘つき悟天」   「違うったらー!」      ほっぺをつつかれ、悟天は慌ててその手を振り払った。    二人はまだ友達と恋愛の区別がついていなかった。好きなのは友達だからなのか、それとももっと他の理由があるのか…。 どちらにしても二人の仲がキス以上発展する事はなかった。  と言うより、彼等にとってはキスが最終の愛情表現だと信じて疑わなかった。     「なぁ、またちゅーしようぜ」   「へぇぇっ!?だ、ダメだよ、おばさん来るんだからっ」      だからキスという行為一つがとても大きなイベントのように感じる。 少なくとも悟天はそうだった。 だが、そんな悟天とは裏腹に、トランクスは最近やけにたくさん求めてくるようになっていた。     「母さん来たって平気だろ」   「平気じゃないったら!!」      一生懸命抵抗する悟天を不満そうに見つめては、少しずつ近くに寄ってくる。     「平気だよ、いっつもしてんじゃん」   「でもったまにしかしちゃダメなんだよ!?お兄ちゃん言ってたもん!」   「げ、お前悟飯さんに聞いたのかよ…?」   「そーだよっ。ちゅーはいっぱいし過ぎるとダメだって言ってたっ」      トランクスは脱力した。 まさか彼に聞いていたとは…。  トランクスにとって、悟飯は師匠のような存在なので、二人の事がバレるのは何だか気恥ずかしい。
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