D/こどものじかん

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 そこへ、ブルマがお菓子と牛乳を持ってやってきた。     「ほら、持ってきてあげたわよー」   「あっおばさんありがと!」      助かったと言うように、悟天は逃げるようにブルマの元へ駆け寄った。 トランクスは悔しそうに悟天をみやる。  その二人の様子がいつもと違って見えたのだろう、ブルマはトランクスに怒鳴り付けた。     「あんた悟天君いじめてんじゃないでしょうね」   「へ…?」      キョトンとしたのは悟天で、ブルマを見上げる。 トランクスは慌てて立ち上がった。     「ちげーよっ。悟天と今から修業してくるって話してたんだ!」   「あら…そうなの?」      ブルマに目を合わせられ、悟天は遠慮がちにトランクスを見た。     「…うん…まぁ…」      言葉を濁しながら返事をした途端、トランクスはふ、と笑った。 悟天はこの笑顔にいつも弱かった。 なら、とブルマは立ち上がり、二人の顔を交互に見て言った。     「家の中じゃなくて外でしなさいよ。あと…お父さん達の修業してる部屋にノコノコ入らない事ね」      後半、さっきと同じ声色になったブルマを振り返った時には遅く、ドアは静かに閉められた。 やっぱり何かあるのかな…  ドアを見つめてると、トランクスに後ろから飛び付かれる。     「それいいじゃん!お前の父さんも来てるんだろ?修業つけてもらいに行こうぜ!」   「…うん、でも」   「母さんの言う事なんか気にしなくていいって!ほら、行くぞー」   「わわっ」      乗り気じゃない悟天の手を引き、トランクスは迷路のような家の中をずんずん進んでいった。 悟天は何かが起こりそうな予感がしながらも、トランクスの手を離す事はなかった。 「ここだっ」      一際頑丈そうな扉の前でトランクスは足を止める。 ふと、悟天が何かの物音に気付いた。    いや、物音じゃなく人の…?     「入るぞ、悟天」   「…ねぇ、何か聞こえる」   「は?」      悟天はトランクスを制止すると扉にゆっくりと近付いていった。 扉の向こうから、修業の声じゃない何か…。 恐る恐る耳を扉につける。 すると。
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