麗奈

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『だから教えて? 本当に話したくなければ無理には聞かないよ。無理やり聞く事が正解だと思わないし。どうしても言いたくなければ、俺からはその話題には触れない。そっとしとく。もう話は終わり。それでいい?』 『ま、待って。ちょっと待って!』 『待たない(笑)俺で悩んでるんだったら、友達に相談したって確実な答えは出ないよ?俺、普通じゃないし(笑)なのに俺にも言えないと麗奈がキツいでしょ。それでも考えてる事を整理したかったり、もう一度1人で考える猶予が欲しいなら、俺は聞かない。』 『………言いたいけど、言いにくいの!だから待って。話す!』 麗奈は少し焦らされた口調で言った後、黙ってしまった。 『話してくれるんだったら、いくらでも待つよ。ゆっくり整理してくれていい。まとまらなくても、断片的でも、俺が質問してくから。』 それを聞いて、少し落ち着いた様子の麗奈だったが、やっぱり切り出しにくいのか、何か考えている。 俺が、こうやって人から話を聞き出す時は決まって少し焦らせる。 今しか話せないという情況を作り出す。
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