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「………ん」
男の人は苦しそうに唸るとわずかに右手を動かした
「!!
気が付いた!?」
「………水…」
「水だね!?ちょっとまってね!」
ジローはキッチンにある冷蔵庫からミネラルウォーターが入ったペットボトルを取り出し急いで男に差し出した
「水だよ!……飲める?」
男はゆっくりと上半身を起こしペットボトルを受け取ると水をごくりと喉を鳴らして飲んだ
「………」
「落ち着いた?どこも痛くない?」
「………ここは…?」
男は次第に意識をはっきりと取り戻してきたらしくジローの部屋をくるりと見渡す
「ここは俺んちだよ!あ、俺は上杉次郎。」
「…ジロー…?」
「うん!うちの前の公園で君が倒れてるのを偶然見かけてここまで運んできたんだ。」
「………そうか……すまなかった……。」
「気にしないでよ!」
ジローがにっこり笑って言うと男はもう一度部屋を見回し
「………俺が……いっぱいいる……」
と呟いた
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