19人が本棚に入れています
本棚に追加
よく晴れた日曜日である。
柊也は、澄麗をこの家に連れて来てどんな反応をするだろうー…?
珍しく柊也にしては弱気な考えだが、それだけ澄麗が大切な存在になっている訳だ。
身仕度を整えて、柊也は家を出る。澄麗の家に迎えに行くために――…
「あ~っ!これも違う~!」
澄麗の部屋には、脱ぎ捨てられた服が、所狭しとばかりに散乱している。
柊也の家に着て行く服が、まだ決まらない。
澄麗は泣きたい気分で一杯だった。
「…昨日買いに行けば良かったなぁ」
考えても、あとの祭りだ。
もうすぐ柊也が来てしまう……―
―…ピンポーン―
柊也が迎えに来た。
仕方ない…
「ママ~柊也君に上がって貰って~」
言い終わらないうちに、柊也は入って来た。
「…何やってんだ澄麗?この部屋?」
呆れた様子で部屋を眺めて言う。
「だって…何着て行ったらいいのか…―」
「何でも構わないだろ?」
「だって…柊也君のお家に行くの初めてだし…」
柊也は苦笑いしながら、部屋に散乱している服の中から、一枚の服を掴んで渡した。
「これ!可愛いじゃねぇか?」
澄麗は助かったとばかりにその服に着替える…―…
あれ?
柊也君が居た筈だけど……―
最初のコメントを投稿しよう!