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「諦めた?」
柊也は微笑んで言う。
澄麗はぷいっと横を向く。
「…いいね、その怒った横顔。益々俺のものにしたくなるよ」
柊也はかなりご機嫌だ。
「あたしは絶対小林君の思い通りになんか、ならない」
その時、柊也は澄麗の腕を引き寄せて言う。
「小林君、じゃない、柊也だろ?」
その声に、澄麗はびっくりしてすくんでしまった。
「…柊也…君?」
「あ~まぁいいだろ。これからは俺の事はそう呼べよ」
彼の言葉には、逆らえない威圧感がある。
何故だろう?
この時澄麗はまだ柊也の正体を、知らずにいた。
ふと柊也を見る。切れ長の黒い瞳
さらりとした黒髪…
どちらかと言えば、可愛いタイプの柊也だが、何故か誰も逆らおうとはしない。
澄麗はそれが不思議だった。
後になって柊也の正体を知った時、納得せざるを得なくなる。
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