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夕闇迫る街中を、ふたりは手を繋いで歩いた。
…―繋いだ手が熱い。
澄麗はそう思った。
なんだかちょっと楽しいな…
「…みれ?―…澄麗?」
不意に名前を呼ばれてびっくりした。
「あ…何?」
「お前ウチ何処?」
そういや言ってなかったっけ。
「あ…ごめんなさい。〇〇町なの。」
「なんだ!俺んちと同じじゃねぇか。」
柊也はにっこり笑いながら言う。
可愛い…―
澄麗は思った。
でも何故みんな柊也を恐がるんだろう?
「柊也君?あたしのウチここなの。」
柊也は立ち止まって澄麗を抱き寄せ、縛り付ける様に唇を落とした…。
「じゃあな!明日から迎えに来るからな。」
「え…本気?」
「俺は嘘は嫌いなんだよ。」
その言葉に身体が熱くなる。
あたしは柊也が好き…―――
澄麗は確信した。
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