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『レベルAランク…ターゲット撃破を確認…マタのご利用をお待ちしてオリマス』
ヴーンとホログラムシステムの機能が停止する際の音が聞こえてくる。
そしてリョウは部屋を出て中央演習場を目指した。
「………つまんね…」
そう悪態をついていた時、後ろから声を掛けられた。
「リョウ…お前ももう倒したのか?」
ビクッと肩を震わせたが、言ったことが聞かれていない事に安堵した。
「おお、神谷か。俺の場合ホログラムのレベルが低かったから速攻で倒せたんだろ。
何せ俺は落ちこぼれだからな。
お前は何ランクやってた?」
「俺か?俺は…ギリギリ倒せてAランクだったな…」
「ふ~ん」
「で、お前こそ何ランクだったんだ?」
「ん…俺?俺はまだDランクだけど…」
苦笑しながらそう言ってのける。
もしバラしたりすれば、後々面倒な事になりそうだ。
「……そうか…」
申し訳ないという表情をしながら、曖昧な返事を返す神谷。
これには面食らって、リョウは騙しているという罪悪感が脳を支配した。
「………………」
神妙な雰囲気を漂わせながら、気が付いたら中央演習場に着いていた。
基本的に、早くホログラムシステムと戦闘を終えた者は、中央演習場で待機ということになっている。
クラスの全員が集まるまで、微妙だった雰囲気を少しでも和ませようと、リョウはふざけたりして神谷と談笑をしていた。
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