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―――…【俺さ…何か最近変な夢見るんだよな…】
【は?突然どうしたんだ佐滝…?】
【ははっ、大した事じゃないんだリョウ】
今宵は晴天。
天は陽を覗かせ、体がポカポカして眠気で瞼が重くなる…そんな天候の下、ある二人の少年は三階立ての校舎の屋上にいた。
それはリョウの鮮明な記憶の片隅…
【なんだよーここまで言ったんなら勿体ぶるなよなー】
ブーブー文句を言っているリョウを見て、分かったしゃべるから…と苦笑をする佐滝…
そんな平和な雰囲気の中、先程ののほほんとした雰囲気は全く無く、真剣な様子で語り出す佐滝。
そんな様子を見ては、リョウも何だろ…と真剣に話を聞きだした。
【暫く真っ暗な世界が広がってると思ってたらさ、いつの間にか身体中に鎖のような物が巻き付いててな。
拘束されて動けない中、ふと前を見ると一枚のでっかい鏡が俺の姿を映し出してんだよ。
で…じっとその鏡を見てたら、突然鏡に映ってる俺の顔がニヤニヤし出したんだ。
鏡越しにそいつが何か言ったと思った矢先に気を失ってさ。
気付いたら朝だった】
これを聞いてリョウは言葉を失った。
【……怖っ!!!
なんちゅう話聞かせてくれてんだよ!!】
これに対してだから言っただろう…と佐滝は苦笑をしていた…
平和だった記憶……そんな他愛のない会話でさえも、今では脳裏を鮮明に駆け巡る大切な思い出…
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