《第Ⅱ章》特殊部隊

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…―――ここは活気に満ちた街の全貌が見渡せる高層ビルの屋上…… そこに上下黒の服を身に包んだ灰髪の男…兼リョウがそこに佇み、獲物を捕らえるような目でビルの真下の男を覗いていた―――… (ターゲット発見……) リョウは蚊のように小さく呟くと、標的に向かって一直線に飛び降りていく。 『タンッ』 六階立ての高層ビルにも関わらず、音も無く片膝を付き着地をしたリョウは未だに背後の気配に気付いていない男の首筋に向かって手刀を叩き込む。 『トン』ッ―――!?」 ドサッと前のめりに倒れる男を肩に乗せ、何事も無かったかのようにリョウは歩き出した。 その表情は冷たく、まるで生気を感じられない。 (懸賞金が300万だとやはりこの程度か…) そう思いながら換金所で金銭の受け渡しを行い、そして帰宅しようと帰路を歩いていた頃の事だった…… 【ギキー!!】 目の前で大型の黒ワゴン車が突然急停車し、バックのトランクが開いたかと思うと 何やら長方形の棺のような物がガタンッ!!と派手な音を立てて放り出された。 【ブヴーン!!】 トランクを閉じたワゴン車は潔く走り去ってしまった。 目の前で突然起きた出来事に驚きながらも (奇襲か…?) と身を構えたリョウ。 すると、箱の方から何やら規則的な音量を放つ合成音が耳に響いてきた。
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