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バッと左にサイドステップで避けたリョウは、後ろに飛び退き再び距離をとる。
「チェックメイトだ…」
リョウはポケットから出したライターにチャッと火を灯すと、ポイッと人造サイボーグの眼前に投げ捨てた。
【ズドォォーン!!!!!】
大音量で響き渡る爆発音。
リョウは自分の能力で粒子状にまで分解させた鉄に着火、周囲の空気を膨張させ粉塵爆発を起こしてみせたのだ。
《ヴヴ!ヴ…ヴ…ヴ…――ピ――――》
体が70%以上金属に包まれているため、一歩も吹き飛ばされずに倒れ込んだ人造サイボーグ。
体の至る箇所はアース線の管がショートしたかのように電流が垂れ流しになっている。
腰から上は黒く焦げ、肉の腐敗臭が鼻をツーンと刺激した。
(終わったか…一体誰がこんな事を…
それよりひとまずここから早く離れないとな…)
気が付くと数十メートル先からパトカーらしき車が近づいて来ていた。
恐らく粉塵爆発の際の爆発音を聞き付けて、ここまで駆けつけて来たのだろう。
「チッ…」
あまり時間の猶予がない事を見計らうと、リョウは踵を返しその場から逃げる事にした。
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