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その頃…リョウはというと…
(今日は…疲れたな…)
自宅に帰って風呂に入った後、軽く食事を取ってベッドにうずくまっていた。
外を見ると星が無数に輝いており、満月の光が窓に射し込んでいる。
リョウは今さっき起きた事に思考を巡らせた。
(何かひっかかる…あのサイボーグは俺が『Braker』だとバレたから差し向けられた兵器のはず…
身元が割れているなら俺の住んでいる場所も調査済みのはずだ…
強行手段で家宅捜査に入って来ないって事は、警察とはこの後何らかの形で接触しそう…だ…な…ZZZZ…)
迂濶にも睡魔には負けてしまうリョウであった…
―――その夜、静かな街並みに溶け込むかのようにポツン…ポツン…と雨が降り始める。
そんな平穏な時間が空間を支配する中、三階建ての構造をした一際目立つ洋式の豪邸にて…
「はぁ…雨かー…憂鬱だなぁー…」
自室で机に突っ伏せながら、はぁ…と外の様子に溜め息を吐くライカの姿があった。
「それにしても『友達になって』なんてよく言えたなぁ。
光沂君は優しそうだけど何か不思議な感じがしたなぁー
なんて言うか…落ち着く…のかな…」
ライカは一人で過ごす事が多く、寂しさを紛らわすために独り言が癖になっていた。
「あ…わたしったら何言うってんだろ…
早く寝よっと…」
頬をポッと赤くしながら電気を消してベッドに倒れ込むライカ。
隣に置いてある熊のぬいぐるみをギュッと抱き寄せた。
「やった…友達…かぁ…すぅ…すぅ…」
月の光によって顔が照らし出される。
ライカは嬉しそうな笑みを浮かべながら、スヤスヤと静かに寝息を立てていた。
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