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暗闇…それは視界を閉じた先に当たり前のように佇む虚無の空間…
いくら縦横無尽に先を行こうにも、ただ目の前には広大な闇が蠢いているのみ…
しかしそんな暗闇の中にも、微かに煌めく光がポツンと浮いていた。
そこにゆっくりと、なおかつ慎重に手を伸ばすリョウ…―――
【…―――リョウ…お前は俺がどんなになっても信じてくれるか?】
それはリョウにとって見覚えのある中学校の屋上…
そこにある少年とリョウが話をしている。
【当たり前だろ。なんでそんな事聞くんだよ?】
【別に…何となく】
【うわぁ~。臭い事をよく飄々と言ったなお前】
【う…うるさい】
その時は冗談のつもりで言っていたのだろうと笑い合っていた…
だけど、もしかしたらあいつはもう気付いていたのかもしれない…
自分が自分でなくなっていく事に…
…―――俺たちはずっと親友だ…―――
それは永遠に変わる事がない…そう思っていた…
―…なぁ佐滝…お前は……―――――
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