5964人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
《序章》プロローグ
――…春の訪れ
それは電柱の光が散漫に照らされた街頭に、桜の花弁が散々と散りながらも咲き誇っていた…――
そんな生暖かい風が吹く季節の中、男はハァハァと手足を上下させながら街道を全力で走っていた。
「クソッ!クソッ!!」
『バヂヂ!!【パシュー……】
男は手から高圧な電流の塊のような物が連続で放たれていく。
しかし、月光の届かない場所から急に伸ばされた手が、その雷撃を打ち消してしまった。
「くそっ!何だあの化け物は!!
何で効かないんだ!!」
恐怖に駆り立てられなが男は逃げる。
「誰が化け物だって?」
逃げている方向から独り言を遮られ、驚愕の表情を浮かべながら男は立ちすくむ。
「ッ――!!
おまっ――!!
なんで――」
「何でって…
分解だけど?…」
男は先程まで逃げていた男の前に立ち塞がり、強い殺気を送っている。
最初のコメントを投稿しよう!