獣鬼

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すると3階のベラ ンダの戸が 「カラカラ」 と音がして開くと そこに女性が出て きた空を眺めた 「ワンワン」 ナイルはそれを見 ながら吠えた 「ナイルの元の飼 い主みたい」 「ワンワン」 ナイルは窓を引っ 掻いて吠え続けた 「さあ、ナイル行 くぞ」 礼司の言葉で吠え るのを止め尻尾を 振った 礼司の車は猛スピ ードで旭山の方 へ向かって 走ると数分で着き 「ここで良いか?」 ドアを開けると シルバーの狐がみ んなに体を舐めら れ降りた 「おい、山に入っ ても動物園に行っ てもいいぞ」 シルバーの狐は尻 尾を膨らましなが ら走って行った 「さて次は長野か 」 「うん、ごえもん の手を握って」 「うん」 礼司は目をつぶる と小諸の風景が目 にうかんだ そして礼司がアク セルを踏むと 一瞬である家の前 に着いたすると 「ニャー」 ごえもんが激しく 窓を引っ掻いた 「あの家みたいご えもんの家」 すると髪の毛の長 い女性が1階の窓 を開け空を見上げ ていた それを見ていた礼 司はごえもんを抱 き上げて タクシーのドアを 開け、家に向かっ て歩きだした そして、女性に近 づくとごえもんは 喉を 「ゴロゴロ」 と鳴らし礼司が手 を伸ばすとごえも んは頬擦りをし甘 え、彼女の鼻を舐 めた 「あら?」 彼女は小さな声を 上げた
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