獣鬼

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「さあ、ごえもん 行くぞ」 礼司はタクシーに アクセルを思い切 り踏んだ 「ねえ、私と二人き りのほうが優しいね 夜野さん」 「まあな、浜田が いると冷静になる 」 「そうか、使い分 けているのか」 「まあな、二人分 の記憶が重なって いるから使い分け ないと変になる」 「そうか、じゃあ あの二人もこれか ら大変ね」 「あの二人は一時 だが、俺は一生だ ろう」 「まあね」 18号線を軽井沢 に向かい追分を過 ぎ中軽井沢をスケ ートセンターに向 かい山をあがりき ってタクシーを止 めた そして、ドアを開 けると狐は嬉しそ うに森のほうに向 かって走り出した それをごえもんと 乱丸とナイルが見 送っていた 狐の姿が藪の中に 消えると轟音と共 に森全体が輝いた 「任務完了23時 57分」 「由美さんきっと 夜野さんに抱きつ くわよ」 「あはは、帰るぞ」 タクシーは光の残 し一瞬の間に消え た 獣鬼 完
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