写鬼

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「そ、その通りです」 「まったく。道路特定財源は自然を壊しやがって」 礼司が昔テレビ局を辞める原因は政治の金の問題を 追求してある党に嫌がれていたからであった 「それで、家の周りの気の流れが変わったんです」 「それで、どうすれば?」 「とりあえず奥さんの寝室を変えてください」 「はい」男は元気に返事をした 「もし、ご予算があれば石を取ってください」 「はい、早速造園やに電話をします」 「はい遺骨は古いですから、供養してください」 「はい、ありがとうございます」 男が言うと 「ありがとうございます」 さっきまで黙っていた女性が 突然声を出した 「どういたしまして、あはは」 男は妻の顔を見て驚いていた 「か、勝子」 男は妻の手を握って 声をだして笑った 「あはは」 礼司が運転したタクシーが羽田に着くと 「ありがとうございました」男はぺこぺこと頭を下げて 礼を言うと 「これ料金とチップです」 男は20,000円を礼司に渡した 「こんなに」 「いいですよ。死のうと思っていたんだから、安いですよ」 「ありがとうございます、このお礼はいつか」 「気にしないでください」 礼司はお金を受け取って車を走りだした 「ああ、死ぬ気だったんだ」
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