髪鬼

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「危ないわ、何とかしなくちゃ」 浜田が2階を指差すと手のつけようが無い状態に由美が立ちすくんでいた。 「浜田さん。は、ハサミが光っている」 寿々は眩しいほど光り輝いている手に持ったハサミを指差した。 ~~~~~ 礼司は美容室の棚にあるパーマ液を見つけた。 「こ、これだ!」 礼司が見つけた液体2つを手に持って睨んでいた, 「山野どうなっているんだ?」 「1液がアルカリで髪の毛を軟らくして酸性の2液がそれを定着させます」 「なるほど、パーマってそういうことなのか・・・」 礼司はハサミをシャンプー台の流し台に置き2液をハサミにジャバジャバとかけると指孔の部分から泡が出ていて金色の部分が出てきた。 「やっぱり」 礼司は完全に金色の部分が出ると コックをひねってシャワーをハサミにかけた。 それを手にるとハサミ全体が光りだした。 「これだ!」 礼司はそのハサミを持って蛇のようにうごめく髪を切るとバサッと足元に落ちる30本ほどの髪を見て魔美は唖然とした。 「たった、それだけ?」 「あはは、切れ味はいいんだけどこの大きさじゃな」 「何か使い方が違うんじゃない」 「ああ、たぶん」 礼司は屡奈の方をみると弓の黒い弦が光はじめていた。 「屡奈それはなんだ?」 礼司が光る弦を指差した。 「これは金子先生にいただいた弦ですけど」 「ひょっとしたら」 礼司は屡奈が持っていた弓を手に取ると髪に向って弦をはじいた。
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