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「この先に鬼、髪鬼がいるわけね」
「ああ、行くぞ」
礼司は弓の弦をはじく作業を屡奈に譲り礼司と山野が片っ端から髪を切ってもぜんぜん減る様子が無かった。
「きりが無いな」
「ええ」
山野はうなずいた。
「燃やすか」
「燃やす??」
山野が聞きなおすと礼司は手でみんなを追い出すような仕草をした。
「みんな出来るだけ遠くへ離れてくれ。と言っても後はふさがっているか・・・物陰に隠れろ」
それぞれが物陰に隠れると礼司は右手で天を指して叫んだ。
「火鬼」
そう叫ぶと手の先から店内の半分を埋めるほどの髪の毛に火の塊を放射した。
それは「パチパチ」と音を出し独特の臭いを出して燃え出した。
するとその黒い物はシャンプー台の向こうにあるゴミ箱の中に入っていった。黒いものを見た山野は怯えて後ろに下がった。
「夜野さんそ、その中に入っていきました」
腰を引いたまま恐そる、恐そる近づいた。
「止めろ、もどれ!」
礼司がそう言うとゴミ箱が爆発した。
「やった!」
魔美は飛び跳ねると礼司は首を横に振った。
「まだだ」
礼司が言うとすぐに黒い塊が天井を突き破って飛んでいった
「山野大丈夫か?」
山野は首を振りながら立ち上がって言った。
「大丈夫です」
「今の爆発はなんだ?」
金子が穴の開いた天井を見上げて礼司に聞いた。
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