髪鬼

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「髪鬼が逃げたんです。先生」 「何処へですか?」 屡奈が礼司に聞いた。 「飛田さんの息子の所だ。行くぞ屡奈」 「はい?車で行くんじゃ?」 「車で行っては玄関から入って息子の所へいけない。息子の部室の鏡に飛ぶぞ」 「はい」 ~~~~~ 「見て家が髪に包まれて真っ黒になったわ」 「うん、分かった」 由美が飛田の家を指差すと浜田は車の外に出て右手の人差し指で空を差し声を出して呼んだ。 「煙鬼!」 すると目の前が真っ白になり煙が車の回りを煙が囲んだ。 「これで安全だ」 髪鬼の針金のような髪の毛を白い煙が叩き落していた。 「じゃあ私もやるわよ」 由美は両手を空に挙げて叫んだ! 「獣鬼、ごえもん」 由美が叫ぶと両手が光り目の前のライオンくらいの大きさの白と黒のぶち柄の猫があらわれた。 「キャー」 寿々があまりにも大きな猫が突然現れたので悲鳴を上げた。 「大丈夫よ、ごえもんはおとなしいから」 「でもこんなに大きな猫がどうやって屋根の上に登るんですか?」 「ごえもんの背中馬のように跨いで乗ればいいわ」 寿々は恐々ごえもんの背中を跨ぐと首をつかんだ 「ゴロゴロ」とごえもんが喉を鳴らしていると 「ごえもんそこが気持ちいいのね」 寿々が首の回りをゴシゴシとごえもんの尻尾がピンと立った。 「私も一緒に行くわ。獣鬼乱丸」 由美が叫ぶと目の前にもう一頭の巨大な猫が現れた。 「待ってくれ俺が行く、バイク乗りの俺の方が向いている」
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