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「おお、ところで浜田の具合は?」
「まだ、意識が無いの」
「でも変だな、奴は何の被害が無いんだよな」
「うん、なんの怪我もショックも受けて無くて脳波も安定してるわ」
「俺も明日。見舞いに行く」
「うん、夜野さんが行けば意識が戻るかも」
礼司はアクセルペダルが床に付きっぱなしでノーブレーキ
運転を続けていた。
「なあ、魔美。この車時速何キロ出るんだ。メーター180kmで止まっているから」
「夜野さんの気持ちしだいよ。夜野さんが出ろと思えばもっと出るかも」
「なるほど」
するとタクシーはスピードを上げた
誰も走っていない高速道路にはたくさんの地縛霊立っていた
その地縛霊は礼司が運転するタクシーが通り過ぎると
次々に空へ昇って行った
「魔美、霊が上がっていくぞ」
「うん、このタクシーのパワーで浄霊されているのよ」
「今までそんな事無かったろう」
「夜野さんの霊位が上がったのよ」
「そうか」
「早く夜野さんのパワーを上げてもらわないと・・・。」
「ん?」
「そうそう、途中鬼が二匹居るからね」
「どこだ?」
「大井松田と岡崎」
「両方とも事故のメッカじゃないか」
「そうよ」
「分かる気がする」
東名高速に乗って十分もしない内に中井PAを通り過ぎると
「そろそろ出そうだな」
「うん、右ルートのトンネルを過ぎたところ居るわ」
魔美はGPSを見て言った
「OK昔の上り線か」
「そうね、東京に荷物を運ぶトラックがよく事故を起こしたから」
「どんな鬼だ?」
「双鬼に似た鬼よ」
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