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その時、礼司は良子におきている事が分かった。そしてそれを言って良いか悪いか悩んでいた。
良子の霊園に残してきた残留思念が生霊となって本人の意思とは関係なく飲酒運転の人にとり憑き自爆させて復讐をする。たぶん、犯人が死ぬまで続くだろう。いや、死んでも続くかも知れない。
「生霊退治か鬼退治はやった事あるけど・・・」礼司はつぶやいた
「はい?」
良子が尋ねると「もしかして、車を運転している夢は?」
「それは無いですね」
「そうですか」
礼司はしばらく考えて
「松山さん今夜12時いや11時にそこの
交差点に来てもらえますか?ご主人も一緒に」
「はいわかりました」
その夜の11時、礼司は交差点の手前に
タクシーを止めて松山夫婦の来るのを待った
「お待たせしました、夜野さん」
良子が礼司に声をかけた
そして夫が深々と頭を下げた。
「はじめまして、松山です」
「夜野です、車に乗ってください」
二人が後ろの席に乗ると礼司が後ろを向いて話した。
「ご主人に来てもらったのは、
もうすぐ奥さんが睡魔に襲われます」
「はい、私がですか?」
良子は不思議そうに聞いた
「ええ、ご主人はそれを見ていてください」
「はい」
11時半を過ぎると良子は急に睡魔に襲われ、
良子は主人和夫の肩にもたれかかった。
「ご主人」
「はい」
「すぐに奥さんの体から魂が抜けます。
奥さんが苦しがったら起こしてください」
「はい?」
「絶対起こしてくださいよ」
「はい」
礼司は魔美からもらったドライビンググローブをはめると
交差点の横断歩道のガードレールの街路樹の
ところに2mくらいの黒いモヤが南の方から飛んできた
「来た」
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