武鬼

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「魔美何時だ?」 「9時40分」 「後1時間ちょっとか?」 「そうだね」 「時速500kmで走れるのか?」 礼司はアクセルを踏んだ するとスピード感より礼司の目の前の景色がはコマ落しの様になって 移動してあっという間に浜名湖を過ぎていた 「もうすぐ岡崎よ」 「うん」 魔美がGPSを見ると長い下り坂のカーブの先に双鬼の赤い点 が見えた 「このカーブの先に居るわ」 「うん」 礼司がはもっとアクセルを踏むと車はキーンと音を立てた 礼司が双鬼の姿を目認すると ライトをアップにし真っ赤なレーザーピームを放った それが双鬼に当たった瞬間、真っ赤な炎を上げ消滅した 「早い!!」 「乗りだよ、乗り。あはは」 「ところで、今日の鬼は?」 「武鬼、京都で死んだ武士達の霊が鬼になったの」 「墓でも動かしたのか?」 「うん、旧家を取り壊してマンションを建てようとしたら大量の人骨が出たんだって」 「ああ知っている。それで」 「それがね、古い人骨で業者がちゃんと弔わなくてゴミみたいに処理したらしいわ」 「それで、どんな事件が?」 「工事現場の従業員6人が首を切られて死んだわ」 「おお、可愛そうに・・。つぎ狙われるのは?」 「たぶん・・・・・」 「そうか、それで鬼の居る場所は?」 「ええと、本能寺」 「おお、織田信長。本能寺の変のあったところか」
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