武鬼

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―  一週間前  ― 「人骨がでたぞ~」作業員が大声で怒鳴った 「やっぱり出たか」工事現場監督の北村が言った 「監督どうしますか?」 「とりあえず、警察に電話する」 北村が警察に電話をするとさんざん回されたあげく 「ああ、でましたか」 「はい」 「どれくらい前のか分かりますか?」 「かなり古いと思います。甲冑が一緒にありましたから」 「そうですか。三十年以上のものだと警察は関知しませんから処分はお任せします」 警察はそっけなく返事をした 「おい何体の骨が見つかった?」北村は作業員に聞いた 「全部で六体なんですが・・・・」 「ん?」 「首がないんです」 「ああ、首検めに持っていってしまったんだな、残酷な話しだ」 北村がそう言うと電話をかけ始めた 「社長ですか、北村です」 「お疲れ様、何かあったか?」 「ええ、人骨が出ました」 「まあしょうがない、警察へは?」 「連絡しました、こちらで処分してくれと言うことでした」 「うん、遺跡の様子は?」 「ありません、大きな石があってそれを取ったら六体の人骨が有ったんです」 「来週佐々君が来るから相談してみよう、骨は保管して後で弔ってあげよう」 「はい」 それから六日後の夜の工事現場 「おい、取り壊し中だから何もないぜ」 「ああ、コンクリートばかりだ」 3人の男が工事現場を歩いた そこに徹の箱があるのを見つけ 「これは?」
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