武鬼

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「地下だね」 「うん、信じよう」 階段を下りると保管室の前に立った 「さあ、行くぞ」 魔美は礼司の手を握った、そして礼司は保管室のドアにぶつかった すると目の前のガラスケースの中に美しく輝く日本刀が見えた 「こ、これか国宝の刀」 「そうみたい」 「でも参ったな、これは柄(つか)も鍔(つば)も鞘(さや)もないぞ」 「でもしょうがないよ、ああ人が来たら大変よ」 「ああ、ではちょっとお借りします」 礼司そばに有ったシルク風の布に包んで手に持って 二人は再びドアにぶつかって鬼の世界に戻った。 建物の前に止めてあった車に乗って門から出ると 道路に車を止めた 「おい、あの門はどうなるんだ」 「直るんじゃない、このタクシーも無傷だし」 「なるほど」 礼司は布から刀を取り出し茎(刀の握りの部分)の部分を握った すると目の前に鬼の姿が次々に浮かんできた 「なるほど過去にこの刀で誰かが鬼を退治していたようだ」 「そうなんだ、ひょっとしたら夜野さんじゃない」 「俺?馬鹿な。ところで刀の情報知らなかったのか?」 「うん」 「まったくどういう訳なんだ」 「えへへ、内緒!」 「ところで柄がないと握れないぞ」 「それは持っている」 魔美は背負っていたリュックから柄と鍔を取り出した 柄は黒地に鬼の模様が施されたもので鍔は鬼の細工がしてあるものだった。 「これってまたピッタリはまるんだろう」 「そうよ」
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