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「まさか、人骨よ」
「もし、戸田さんの自宅だったら?」
「ええ。佐々さんたちが皆殺しになる」
「ああ、確認を取るぞ」
礼司たちは飯場の壁にぶつかり
鬼の世界から戻って霊気の出ていた場所を確認した
そこには鉄の箱があり、ふたを開けると首の無い人骨が五体分有った
その頃、戸田邸では
真由美の父肇と佐々と真由美が出土品を前にして話していた
「これは十字架ですね」
「うん、やはり織田信長と関係が有ったんじゃないか?」
「ええ、キリシタンですからね。ん?4つですか?」
「ああ、十字架は4つしかなかった」
「人骨はどういう状態で葬ってあったんですか?」
「重さ1tの石の下に有った」
「そ、それって封印の石では?」
「封印の石?」
「はい、処刑した者の霊が恨み持って復讐しないように封印したんですよ」
「なるほど、奴らを恐れていたわけだ」
「刀とか甲冑は?」
「ボロボロだったから骨と飯場に置いてある、あまりいい物ではなかったがな」
「解かりました、明日現場へ行きます」
「うん、明日は工事が再開できるはずだ」
「ところで、5人は誰に?」
「う~ん、警察が調査中だが、私には工事の妨害を受ける心当たりが無いんだ」肇は肩を落としていた。
「しまった、夜野さんに現場を霊視してもらえばよかった」
「霊視?」
「ええ、封印の石を取ったために武者の霊が動き出した可能性がありますからね」
「では、うちの5人は霊に殺されたって言うのか?ま、まさか」
「いいえ、その可能性はあるかも知れませんよ」
そこへ佐々の携帯へ礼司から電話があった
「はい、佐々です」
「夜野です」
「ああ、先ほどはありがとうございました」
「四条大宮の工事現場の京都戸田建設の社長は真由美さんのお父さんかな?」
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