武鬼

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すると、おどけていた男が首なし武者に囲まれると 金髪に染めた髪を首なし武者が手に持って刀を首に当てた 「ま、まさか冗談だろう」 首に着けた刀を引くとそこから血がポタポタと落ちた 「十字架返します」 男が渡そうとすると 「ぎゃー」という声が聞こえて血しぶきが飛び散ちり首と胴体が離れた首なし武者の一人は首にぶら下げた十字架をはずした 右手に男の首を持ち、左手に十字架をもって数歩歩くとその姿が消えた 礼司は戸田邸の前に着くと 車から降り 魔美は戸田邸の呼び鈴を鳴らした 「はい」 佐々が玄関の扉を開けた 「あっ、佐々さん。今からこっちへ鬼が来ます。逃げてください」 「鬼?で・す・か?」 「はい、工事現場で五人を殺した奴です」 「どうして?鬼にここが狙われるのですか」 「何か、現場から持ち帰った物は?」 礼司が後ろから尋ねた 「あっ、夜野さん十字架が四つです」 「四つ、五つじゃなくて?」 「はい」 「ではそれを取りに来るはずです」 「じゃあ、返しましょう」 戸田肇が四つの十字架を持ってきた 「あっ、もう手遅れみたいだ。魔美きたぞ!」 礼司は十字架を受け取って玄関から出た 「玄関開けないでくださいね」魔美はそう言って扉を閉めた 「人間の世界で鬼と戦うのは初めてだ」 「うん、奴らはもっと強くなっているはずよ」 「ああ、覚悟しているよ」 礼司はベレッタを魔美に渡した 「今日は手伝ってもらうよ」 「OK」 すると道路の闇の中から2.5m程の武鬼がゆっくりと歩いて近づいてきた 「でかい!また人間でも食ったのか?」 「そ、みたい」 礼司はシルクに巻いた則国を手に取り十字架を4つ首にぶら下げた   そこへ、真ん中に立っていた武鬼が礼司に向かって大上段から刀を振るった。礼司はそれをうけると、体がつぶれるほどの力が体にかかった。 「重い、手首が折れそうだ」 「大丈夫?」 「自信ない」 礼司は体を右に返し武鬼の左肩を切ったしかし、何の反応も無かった 「切れない」 「パワーが足らないの?」 「どうもそのようで」 礼司は左右に避けながら3つの刃を受けていた。 魔美が礼司が首からぶら下げている十字架が青白く光るのに気がついた 「夜野さん、十字架をこっちへ」 「ああ」 礼司は4つの十字架を魔美に投げた 魔美はそれを受け取るとシルクに巻いた そこへ1体の武鬼が魔美に向かって襲い掛かってきた 「危ない!」
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