獣鬼

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「浜田どうした、  目を覚ませよ」 礼司が浜田の耳元で囁いた すると、礼司が持っていた根付が光りだした 「何かの合図か」 礼司が浜田の顔に根付をかざすと、浜田が顔を左右に振りゆっくり目を開けた 「川島先生、浜田が目を覚ま   した」 亮が振り返って言うと 「はい、上の先生を呼んでき  ます」 川島は駆け足で病室を出て行った 礼司が浜田の顔を覗きこむと 「ああ、隊長」 「隊長?」 「思い出しました。夜野隊  長」 「久しぶりだな」 「はい」 「お前は向うで死んだの  か?」 「いいえ」 浜田は首を横に振った 「浜田さん、大丈夫?」 魔美がニッコリ笑った 「隊長、実は向うの世界で  クーデターが起ったんで  す」 「クーデター?」 「はい、国民は知りません  が」 「なんか解かるよ」 礼司はあの世界を思い出していた 「それで隊長に会うために命  を懸けてきました」 「それで、用件は?」 「隊長、もう一度我々の世界  に来ていただけないでしょ  うか」 「何のために?」 「我々は命を狙われていて、  和久井警視正の指示で仮死  状態になったのです」 「どうしてお前達が命を狙わ  れたんだ?」
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